
わが国のクレジット(消費者信用)は、貨幣誕生以前、春に種子を貸し付け秋の収穫時に一定の利息をつけて返済させる「出挙(すいこ)」のような形態が発祥と言われております。
貨幣を基にしたクレジット(消費者信用)は、平安末期から鎌倉時代、質の良い渡来銭「宋銭」が流通するようになってから盛んになりました。
そのひとつ「頼母子講(たのもしこう)」は、金銭や穀物を互いに持ち寄って寺などの修繕費のみならず、困った時に無利息・無担保で互いに融通し合う庶民の相互扶助組織。現在の相互銀行、第2地方銀行の原型です。
貨幣経済浸透初期は、「貸上(かしあげ)」と呼ばれる無担保の高利貸しが登場。
その後、動産を担保として貸し付ける業者が登場し、担保の品を保管するために土蔵を建てたことから「土倉(とくら)」と呼ばれました。現在の質屋の原型になります。
クレジット(消費者信用)は大きく「販売信用」と「消費者金融」の2つに定義されますが、賦払方式を用いていた「頼母子講(たのもしこう)」が「販売信用」、「土倉(とくら)」が「消費者金融」のそれぞれ起源と言えるでしょう。