貨幣(現金)が決済手段の基本であることは言うまでもありません。
そして、日常のショッピングにおいて利用出来る汎用性の高い支払手段として、この「貨幣」と「クレジットカード」が、長い間、中心を占めてきたとも言えます。
しかし、近年、この図式に変化が出てきました。
2000年3月6日:「貨幣」にとても近い即時決済型の「デビットカード(J-Debit)」誕生。
2001年11月7日:少額支払にターゲットを絞ったプリペイド(前払い)型の電子マネー「Edy(エディ)」誕生。
2004年2月10日:同じく少額支払型電子マネーの「Suica(スイカ)」によるショッピングサービス開始。「Suica(スイカ)」自体は2001年11月18日に誕生。
2005年4月4日:クレジットによるポストペイ(後払い)型の「QUICpay(クイックペイ)」誕生。JCBカード。
2005年12月1日:同じくポストペイ(後払い)型のお財布携帯「iD」誕生。三井住友カード。
クレジットカードが少額支払で使われない理由の一つに、「オーソリゼーション(承認)」及び「サイン」の手間と時間が挙げられます。
2000年に、J-Debitが登場した時、プラスティックマネーとして、あわや、紙やコインの貨幣に取って替わるかのような脚光を浴びました。結果は今現在で判断するならば「今一歩」です。
その原因の一つは、「暗証番号」入力の手間が挙げられます。
しかし、(預金の範囲で)限度額の無いこのデビットカードは非常に優れた決済手段であり、欧米諸国では広く普及しております。
そして、このクレジットカードやデビットカードの弱点を補うかのごとく誕生したのが、前払い式の電子マネーと後払い式の非接触ICクレジットカードです。
これらは、利用できる限度額を5万円と低く抑える代わりに、サインや暗証番号入力といった手間を省いたスピーディーな支払いを可能としているのが特色になります。
「少額支払市場」は60兆円とも言われ、今現在のクレジットカード市場(27兆円)の倍もの規模に相当します。
・前払い式(Edy、Suica、nanaco、WAON)
・即時払い式(J-Debit)
・後払い式(QUICpay、iD、Visa Touch、Smartplus、Paypass)
何れの方式が市場を制するのか?暫くは、目の離せない展開が続きそうですね。
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