JCBカード(ジェーシービー)

JCBカード(出典:株式会社ジェーシービー)

JCBは1961年、旧三和銀行と旧日本信販によって設立された(株)日本クレジットビューロー(略称JCB)、(株)大阪クレジットビューロー(略称OCB)が前身です。その後、1968年、両社は合併し、1978年、名称も今の「ジェーシービー(JCB)」となりました。

そして、1981年、日本のカード会社としては初めて独自の国際展開をスタートさせたのです。
JCBがめざしたのは世界で通用する「国際クレジットカードブランド」にすること。
今日では、JCBは世界に5つしかない「国際クレジットカードブランド」として認知されております。
(※中国発UnionPay、北米発Discover Cardも加えて言われる方もおられます。)

JCBは、大きく分けて3種類のクレジットカード発行形態を取っているという点で、クレジットカード会社の中でもユニークな存在です。
○第一の発行形態:JCBが自社でクレジットカードを発行
○第二の発行形態:フランチャイズ会社(FC社)がJCBカードを発行
フランチャイズ会社(FC社)は、日本を代表する銀行や保険会社などとの提携により設立された組織になります。
○第三の発行形態:JCBが、流通系カード会社や信販会社に対してJCBカードの発行ライセンスを付与することにより、各社がJCBカードを発行

JCBは、23の国と地域に展開し、会員数は2019年3月末現在、国内99,890千人、海外30,184人にまで拡大。
大きな夢をもってはじめた独自の国際展開で、「JCB」は、米系以外で唯一の「グローバル・メジャー・ブランド」として確固たる地位を築いております。

JCBカード

1    特徴・概説

世界の5大ブランドに数えられるJCBは、国内最大のクレジットカード会社です。国際ブランド[JCBブランド]運営・カード発行・加盟店契約保有などの業務を執り行っています。

日本でのシェア数は約6,000万人。支払い方法は、「後払い」、「先払い」、「前払い」の3種類から選択することができます。

カードの歴史発祥地アメリカの流れにいち早く目を付け、常に時代へ先手を行ってきた、いうなればパイオニア的存在の大企業といえます。

国内に存在している他のクレジットカード会社と異なる点は、自らが国際ブランドを運営・世界展開していくという戦略をとることで成長を遂げてきているという点です。この大きなリスクを伴う戦略方法は、創設者・山田氏の反骨精神からきているものといえます。この独自路線をいく経営戦略こそが、海外へもそのネームバリューを知らしめる由縁となっています。

また業界においては、他の金融グループ色に染まりすぎずに様々なグループと手を組むことで、全方位的外交を行っており、2016年には2006年の約3倍の2100万店に加盟店が増加、世界6大ブランドの1つとして国際的にもその存在感を強めています。海外業務を行うための子会社として「株式会社 ジェイシービー・インターナショナル」も海外に設置されています。

2007年に刷新された新たなロゴデザインでは、「責任感」の青、「活力感」の赤、「親近感」の緑を取り入れ、さらなるブランド力の向上を図ります。

また2015年には、「世界にひとつ、あなたにひとつ。」をブランドメッセージも掲げました。日本国産のカードということで、海外では「サムライカード」との呼称でも親しまれています。

様々な銀行系のクレジットカードやお店のカードと提携しているために、国内はもとより海外でも広くJCBのカードを使って買い物や旅行を楽しむことができます。旅先で現金を持っていなくとも、JCBのカードが1枚あればそう困ることはないでしょう。その証拠に、JCBカードは、日本人が海外で使用しやすいよう配慮されているのだそう。

また、海外の主要都市には、JCB会員が使用できる「JCBプラザ」が設けられており、旅先で高品質かつ満足のいくサービスを受けることができます。

他にも海外の観光地にはJCBのヘルプデスクが設けられていることが多く、こちらには日本語の分かるスタッフが常駐しています。旅先で困ったこと・不安に思ったことに気軽に応じてくれるのでとても有難い施設といえます。同施設にはラウンジも設けられており、JCBカードを所持していれば、こちらでインターネットを無料で使用することが可能。国内はもとより、海外でもJCBのカードを持っていることで様々な優遇が得られるとは、まさに「世界のJCB」といえますね。

さらには、多くの種類のカードを保有しているのも、大きな特徴の一つです。一般的なスタンダードカードの他、29歳以下の方のみ使用できる限定カード、収入などの条件が厳しいゴールドカード、他にも様々なお店とコラボレーションさせたカードの取り扱いも。またクレジットカードという後払い方法以外の支払い選択肢として、デビットカード、プリペイドカード、贈り物用のギフトカードなど、持つ人の年齢や状況、支払い方法等に応じて様々な選択肢を与えてくれます。

また、近年ではキャッシュレス社会へ向けた施策として、QUIC PayやApplePay、LINE Payなど、従来のカードという概念に捕らわれない決済ソリューションも完備しています。様々な起業と提携しながらこうした円滑な支払いを可能とし、国内の経済を大きく取り仕切っています。

また、近年問題となっているカードの不正使用防止に関しても、様々な対策が取られています。具体的には、不正検知システムの導入が挙げられます。

これは、カード番号を騙し取るフィッシング詐欺被害や紛失盗難カードの不正使用を防止するための一策。不正使用のパターンを分析し、第三者にその利益が搾取されていないかなど、不審な動きの有無を24時間365日モニタリングにて見守るシステムです。近年利用の多いネットショッピングにおける安心・安全なカード利用環境に一役買っています。他にも公式サイトには、お問い合わせ窓口も記載されています。

2   沿革

株式会社JCBの前身「株式会社日本クレジットビューロー」が設立されたのは、1961年。当時、後の三菱UFJニコスの前身である「日本信販株式会社」の社長であった山田光成さんによって設立された同社は、三和銀行(後のUFJ銀行)と日本信販株式会社とが資本割合を50%ずつの対等な割合で持ち、設立されました。

株式会社JCBを語るうえで欠かすことのできないこの創設者の山田氏は、その凄まじいほどの武勇伝から、城山三郎著書の「風雲に乗る」の小説のモデルにもなった人物です。JCBを語るうえで、まずはこの山田氏の生涯から追っていきましょう。

1907年、愛知県名古屋市に産まれた山田光成さんの実家は、当時旅館を営まれており、裕福な家庭環境のなか育ったといいます。けれども山田氏が5歳の頃に家事で実家が全焼。その後父親が亡くなるという災難に見舞われます。

けれども困難に負けることなくその後山田氏は熱心に勉学に励み、慶応高学部を卒業。23歳の時、「山田モト旅館」を開業されました。実は山田氏は「株式会社日本信販株式会社」を設立する以前に営んでいたのは、金融業ではなく旅館業だったのです。

けれどもやがて第二次世界大戦が勃発、山田氏も現地へ隊員として加勢、12年間もの長きに渡り軍に所属しますが、自身の病気が原因で除隊されます。その後、まだ戦乱の真っただ中であるにも関わらず、旅館業を再開されます。

しかし当時は「欲しがりません、勝つまでは」をスローガンに、国民皆が自らの娯楽を制していた時代。当然ながら旅館に泊まりにくる客は少なく、廃業寸前に。

「どうすれば、人並みの生活を送ることができるのか。」考えた末に山田氏が思い付いたのは、現金を持っていなくとも月賦で欲しい物を買うことができるという画期的なサービス。このサービスを運営する会社を設立することでした。

1948年、山田氏が「日本百貨サービス」という会社名のもとで設立されたこの会社の存在こそ、JCBすなわち、日本が世界に誇るクレジットカード会社の片鱗といえます。

当時はまだ月賦という概念が人々の間に定着しておらず、現金での買い物が主流だった日本。同社は、手軽さを打ち出した「魚の切り身まで割賦で買える」をスローガンに、新たな支払方法の国内への定着を練ります。

まず、自らが社長として座を置くのではなく、会長や社長の座に著名人を置きます。こうすることで、宣伝効果が生まれ、世の中の関心が集まります。さらには月賦での支払いに応じる加盟店が不利にならないよう、一流企業や官庁の職員にのみチケットを配布し、加盟店が債務を背負うリスクを低くしました。当時は高度経済成長期の真っただ中、こうした策も手伝い、同社の知名度は上がり、消費率はアップ、同社の会員数は、2,000人を超えるほどにまで膨れ上がりました。1966年には同社は「日本信販株式会社」へ改称されます。

1956年には、売り上げは25億円を達成、国内に月賦での支払いという概念を見事に定着させることに成功し、山田氏は満を持して、1958年、同社の社長の座に就きます。さらに、山田氏の頭に浮かんだのは、新たな経済戦略でした。それは、「信販システムを取り込みつつ、巨大な銀行資本という財政をバックアップにつける」というものでした。

この山田氏の構想こそが、後のJCBの前身「株式会社日本クレジットビューロー」です。1961年に設立された同社は、元々カードを発祥した祖国のアメリカから、その基本的な仕組みのアイディアを取り込み、さらにそこへ日本独自の要素を加えることで、独自性を追求しました。当時アメリカでは既に一般に広く浸透していたクレジットカード業界へ目を付けたこの巨大企業は、時代のパイオニアとして、たいへん注目を集めたといいます。

1967年には、本場アメリカのアメリカンエクスプレス社と業務提携し、国際カードの発行も開始。これにより国内のみならず、海外にもその視野を広げました。

1968年には、債務不履行のリスクを減らすため、「自動引き落とし制度」を導入。今ではごく一般のこの制度は当時としては真新しく、この制度の導入は、社会に大きな影響を与えました。同時に、信頼性の高い代金回収が可能となり、顧客の信用度がさらに高まりました。

1978年には、会員数253万人を記録。社名は馴染みのある「JCB」へと変更されます。

1979年には、支払い方法の選択しとして「リボルディング返済方式」を導入。これによって返済方法が一括払いのみの対応から分割で個人のペースに併せた支払方法を選択できるようになりました。このリボルディングシステムはさらに消費を倍増させる効果を担い、JCBの注目度をアップさせます。

1980年には、「JCBギフトカード」を販売開始。このカードは、JCBカードの加盟店ネットワーク内で使うことができ、現在でもギフトカード市場でのシェアナンバーワンを誇っています。

1981年には、日本のカード会社としては初となる、独自の国際展開をスタート。香港に現地法人JCB ASIAを置き、現地の銀行OTBと提携。海外での加盟店開拓を開始します。この自ら会員や加盟店を現地で開拓するという手法は大きな困難を伴う選択肢でした。けれどここに山田氏の武勇伝が垣間見られ、さらにJCBの影響は高まっていきます。その後もJCBは大躍進。

1982年、ゴールドカード発行を開始。ゴールドカードは、年会費有料のカードです。会員はこちらのカードへ加入すると、海外にある空港ラウンジの無料での利用、国内の厳選されたホテルでの宿泊優待など、一般のカードよりさらにワンランクアップしたサービスを利用することができます。

1985年、海外でのカード発行を開始。

1987年、創設者の山田氏が亡くなりました。「危険が多ければ、大きな成功を得ることができるのだ」という彼の遺した名言が、その生涯とJCBという企業の姿を物語っていますね。

その後、1988年、1983年にウォルトディズニーによって開園した夢の国・東京ディズニーランドを運営する株式会社 オリエンタルランドとオフィシャルスポンサー契約を締結。

1990年、世界各国の主要都市に「JCBプラザ」を設置。これは海外で他の国際ブランドに対抗すべく編み出した戦略です。1号店のパリに始まり、ハワイにも設置されています。こちらの施設では、高品質のサービスとくつろぎのスペースを提供してもらうことができ、旅先での楽しみをより倍増させてくれ、JCB会員へのさらなるバックアップ強化にも繋がっています。

1995年、IT革命の発展を受け、「J-MARK」情報分析システムを稼働。これにより、JCBの保有する膨大なデータからピックアップしたデータのみを抽出することが短時間で可能となりました。これは、DMなどの宣伝戦略に大きな一助を担っています。

2006年には、JCBは来るキャッシュレス時代への礎として、電子マネーを導入。電子マネーは非接触型の支払い方法となっているため、カードよりさらにタイムレスに支払いが可能に。多忙な現代人に頼もしいサービスとなっています。

2007年、1968年より継続されていたJCBエンブレムのデザインを39年ぶりに変更。

2008年には、次世代を担う業界最大規模のシステム「JENIUS」をリリース。会員の購入履歴や加盟店の販売履歴など、様々なデータを元にマーケティングはもちろん、他社基盤のシステムとの連動も担保に入れることで、国際規模のデータを活用したビジネスが可能となりました。まさに、世界のJCBの名を世に知らしめる戦略といえます。

2011年、国内初となるATMによるICクレジットカード暗証番号変更サービスを開始。

さらにカードへの犯罪防止施策として、スキミング防止のためのホロマグネットストライプを施したカードへ順次切り替えられていきました。

2014年、消費税がこの年の4月より8%にアップしたことを受け、さらなるキャッシュレスの時代が幕を開けました。支払いの際に発生する、消費税によって多くの小銭を支払うという煩わしさを無くすための策として、JCBは従来のクレジットカード以外にも様々な利便性の向上を図っています。その具体策としては、手持ちの口座からの支払いを可能にするデビットカード・事前にお金を納入することでお財布から小銭を出す手間を省き、カード一枚でのローリスクな支払いを可能としてくれるプリペイドカードなどになります。これは有名デパートの他、地方のスーパーマーケットでも多く導入されています。

2015年、従業員に違法な長時間労働をさせたとして書類送検されました。翌年には、労働基準法違反の罪で有罪判決が下されます。

2016年には、インバウンド戦略並びに地方創生の軸となる施策を実施。観光に訪れる外国人への円滑対応を目指すための取り組みを強化しました。また、JCB内に「地方創生支援室」を設置。地方自治体の需要を探りながら、地方金融機関とのネットワークを活かしたサービスを様々に展開。

2017年、8年ぶりのオリジナルシリーズとして個人プラチナカード「JCBプラチナ」、「JCB CARD W」「JCB CARD W plusL」が発行されます。

こうしてその地盤を整えながらも常に時代の先を見据え、JCBならびにJCBカードは時代に大きな革新をもたらしてきたのです。

3   データ

・種類 株式会社

・市場情報 非上場

・略称 JCB

本社所在地 日本 東京都港区青山5丁目1-22

青山ライズスクエア

・事業内容 クレジットカード業務、クレジットカード業務に関する各種受託業務、融資行、信用保証業務、集金代行業務、前払式証票の発行・販売業務

・代表者 川西孝雄 取締役社長

・資本金 106億1610万円

・売上高 3095億1300万円※2019年3月31日時点

・営業利益 398億2700万円※2019年3月31日時点

・従業員数 4290万人※2019年3月末

・支店補数 10

・主要株主 ジェイシービー従業員持株会、株式会社三菱UFJ銀行、太陽生命保険株式会社、株式会社三井住友銀行、トヨタファイナンシャルサービス株式会社、オリックス株式会社、TIS株式会社ほか

・主要子会社 株式会社ジェーシービー・サービス、株式会社ジェーシービー・インターナショナル、株式会社日本カードネットワーク、株式会社ジェイエムエス、株式会社JCBエクセ

4   現状と今後の予測

ここではまず、JCBの現状と今後の予測をお伝えする前に、今後ますます加速するとみられているキャッシュレス社会の現状と今後の予測から見ていきましょう。

キャッシュレス社会の現状と今後の予測

現在、日本ではキャッシュレス化が政府によって推進されています。経済産業省によると、2015年の時点で欧米のキャッシュレス比率は40~60%程度。韓国では既に90%に達するとされている一方で、日本はいまだ20%にとどまっています。これは日本が昔より現金という確かな支払い方法を主流としているからです。特に高齢の方はカードを借金と捉え加入に足踏みしてしまう方が多いのも、キャッシュレス比率が伸び悩んでいる由縁といえます。さらには偽札が横行している中国などと比べ、日本ではそうした心配が無いために現金への信頼度が他国に比べて高いことも理由の一つに挙げられます。

政府は普及のため、「キャッシュレス推進協議会」を立ち上げ、消費者・事業者へのキャッシュレス喚起等に取り組んでいます。この背景にあるのは、その手軽さや現金の窃盗被害を減らすことももちろんですが、面倒な売上金の計上や支払いの際の間違いも減るために、近年深刻化しているスーパーマーケットやコンビニでの人手不足や働き方改革へも好作用をもたらすと期待されているからです。

キャッシュレス決済を導入するためには、小売業者は加盟店手数料をカード会社へ支払う義務があります。この手数料を避けるためにクレジットカードの利用を定めていない店舗は現在でも多く見受けられます。けれども現金を管理するためにもコストは必要です。例えば現金を厳重に管理するための金庫代や売上金の保管サービス代金の発生、他にもレジを締める際には人件費もかかるのです。こうした手間賃を換算すれば、加盟店手数料とほぼ違わないくらいのコストは現金支払いのみでもかかってくるのです。

ただし、キャッシュレス社会にはデメリットもあります。それは、例えばカードやスマホ一つで決済できることで、サービスを提供する会社にデータが残ってしまうことです。公共料金や飲食店、スーパーマーケット等日常の行動が分かるような支払いのデータが履歴に残ってしまうことは、即ち、職業や人間関係や日常の指向など、様々なことが容易に分析されてしまうことを意味します。つまりは、国が国民のあらゆるデータをたやすく掴んでしまう監視社会になるということが懸念されているのです。日本は2025年までにキャッシュレス比率を40%までに拡大、将来は80%にまで膨らませることを目標に掲げていますが、メリットが多い一方で、このようなデメリットもあるのです。

こうした点をふまえ、JCBについて見てみましょう。

JCBの現状と今後の予測

現在、国内の会員が海外へ訪れた際に利用できる様々なサービスを現地で執り行っているJCBですが、今後は海外カード会員数の拡大に向かって進路を進めていくでしょう。これはここ5年間で海外でのJCBカード会員数が2倍以上に増加したためです。特にアジア圏での成長はめざましく、そうした国々に提携先の銀行を増やしていくことで、さらなる海外会員数の増加を図っていく意向です。さらにはアジア圏以外のロシア、インドにおいても活動を加速しています。

けれども実のところ、国内において、JCBカードの使えない店も近年では増えてきているといわれています。VISAやマスターカードは使えても、JCBカードは使えないというお店は今や多いようです。この理由は、JCBの加盟店手数料の高さにあります。加盟店手数料は、会員がその店でカードを使った際に、加盟店がJCBに支払わなくてはならない手数料です。VISAやマスターカードと比べてみると、この加盟店手数料がJCBカードを使用すると1%以上高くなる場合が多いとのこと。こうした国内での不満を払拭していくことも、今後のJCBのブランド力維持のための課題となってくることでしょうね。こうした背景があり、他のカードの会員数が増加していることから、国外での会員数を今後は伸ばしていくことが予想されます。

また、今年の7月にJCBが実施したキャッシュレス決済の会計スピードの比較実験によると、キャッシュレス決済が現金決済に比べて2.3%速く支払いを完了することができたとのデータが出ています。この実験は、20~40代の男女100人で実験されたもので、現金・クレジットカード・非接触式・QRコード決済の4つの方法で比較されました。100人をそれぞれ25人ずつのグループによって別れさせ、店員役には現金や各種決済に慣れている大手コンビニチェーン店員の協力を得ました。結果としては、現金決済にかかった時間は15~40秒 平均28秒。サインの必要の無いクレジットカードは9~19秒 平均12秒。非接触型は6~10秒 平均8秒。QRコードは12~32秒 平均17秒だったそうです。結果としては非接触型が一番スピーディーに支払いが可能、次点がサインの必要の無いカードとなります。

QRコードでは、口頭で伝えたサービス名とスマートフォンに表示されたアプリが一致しないなど、使い方になれるまでに時間を要する方が多かったようです。消費税増税に伴い政府はキャッシュレス決済を対象に数千億円規模のポイント還元策を始めるなどキャッシュレス決済を促すための対応策をとっているため、この実験データの結果が、さらに多くの方のキャッシュレス決済のニーズに繋がるとされています。

また、質の面では、JCBは今後会員の保持のためによりそのレベルを向上していくことが予想されます。利用頻度や利用額の高い層に向けて特別感を意識させるような施策も打ち出されていくことでしょう。加盟店手数料を大幅に下げる方針が見込めないのであれば、こうした会員への優待特典を強化していくことがJCBの生き残りへの戦略となってくることでしょう。

また、近年問題となっているのがこうしたカードの顧客情報を狙った犯罪です。過去にはアメリカでカード情報流出事件が起こり、この事件はアメリカのみならず日本へもダメージを与えました。流出したとされるカード情報は4,000万件で、この中には、日本にいながらアメリカのサイトで買い物をした日本人のカード情報も含まれていたのです。さらにはカードの盗難による被害などもカードを持っている身であれば注意しなくてはなりません。こうした犯罪への対策をさらに強化していくことも、JCBならびにクレジットカード業界の大きな課題だと思われます。

5    主な諸外国での加盟店事情

北米地域

ハワイやグアムでは、観光産業計の物販店では大半が他のカード会社と併せて、JCBに加盟しています。けれども本土の地域では、加盟店の数はさほど多くありません。本土には高級ホテルや日本人街の物販・飲食店やアウトレットも多く、日本人が利用する頻度が多い一方で、加盟店の数が伸び悩んでいるためにしばしばショッピング利用の際に支障が起きています。現在では徐々にこの加盟店網は整備されてきているとのことです。

欧州

スペインでは、スペイン3大銀行連合の全てと業務提携しています。

ブルガリア共和国では、1985年に現地のクレジットカード会社と加盟店業務に関するライセンス契約を締結したことを皮切りに、加盟店の拡大を図ってきました。今後もさらに現地での発行拡大を目指している模様です。

ベネルクス3国では、1983年よりJCBIがJCBカードの加盟店網を広げてきました。現在でも現地での加盟店を広げています。

アジア

毎年多くの日本人が渡航し、現地でも現地銀行、現地人向けのカードを積極的に発行していることから、日本とほぼ同等の加盟店数を誇っています。

編集後記

いかがでしたか?日本、いえ、世界を代表する大企業 株式会社JCBの素晴らしさをお分かりになって頂けましたでしょうか?

JCBを知るうえで必要不可欠とされるのが、創設者の山田光成さんですね。彼のことをより分かりやすくまとめてみると、

・元々は旅館業を起こしていた。実質家業を継いだ形。

・開業して間もなく、第二次世界大戦が勃発。山田氏も現地へ参戦するが、病気を理由に除籍。

・帰国後に旅館業を再開するも、客足は落ち込む一方。新たなビジネスを考えているところに、クレジットカード会社の前身ともいえる月賦を利用した販売サービスの展開を思いつく。

・「日本百貨サービス」を設立。後の三菱UFJ銀行

・設立当初は月賦制度の定着は緩やかだったが、様々な独自戦略と高度経済成長期の時代の追い風もあり、着実に会員数を増やす。

・その後さらに大きな会社へと業務を拡大すべく、銀行をバックグラウンドに引き入れた「株式会社日本クレジットビューロー」を設立。つまり、JCB産みの親である山田氏は、二つの大きな会社の社長であったのです。

その後も、カード発祥の地アメリカにあるアメリカンエクスプレス社と業務提携、国際カードの発行を開始・支払い方法に分割払いのリボルディングシステムを導入するなど、その時代の先を行く様々な政策によって、山田氏はJCBを国内唯一のクレジットカード会社としての確固とした基盤をJCBに植え付けることに成功しました。

また、支払い方法簡略化の他にも、海外旅行傷害保険やショッピング保険・紛失・盗難補償などの様々な補償に加え、海外へ旅行に行った際には現地で特別な対応を受けることのできる施設も主要都市には完備されているため、支払いだけでなくライフスタイルにも好作用を促してくれます。至れり尽くせり、とはまさにこのことですね。

さらには、JCBとフランチャイズ契約を結んだJCBグループという存在も強みとして大きい部分になります。このJCBグループは、銀行が主ですが、メガバンクから地方の銀行や信用金庫など大小様々な金融機関が属しています。この他、様々な企業も属しており、提携カードでは、JCBが本来持っているサービスに加えてフランチャイズ側によるさらなるサービスも付与されます。

けれどもこうしたカードを利用するうえでは、気を付けなくてはならないこともあります。その注意点と対策方法について、以下にまとめてみました。

・使いすぎてしまう

クレジットカードを持つことに抵抗感のある方の中には、この点のリスクを考えられている方が多いことと思います。クレジットカード利用での支払いは後からになるので、その時に持ち合わせのお金が無くとも欲しいものが買えるのですが、もちろん後から支払うということが最低限の原則となります。けれども、いざ欲しいものを買って満足しても、返済日になって口座を覗いてみると、いつもより給与が少なくて支払いが・・なんてこと・・カード利用者なら経験された方も多いはず。

最終的に返済不能に陥ると、カード会社から連絡がきます。それを無視してしまうと封書やハガキ、自宅訪問・・と発展してしまうことも考えられます。返済ができない場合にリボルディングシステムを利用するケースもあるかと思いますが、これは高い利率が発生するためオススメはできません。

→こうしたリスクを避けるためには、支払いデータをひと月に一度の紙ベースではなく、ネットでの閲覧に変更されるといいでしょう。ネットで閲覧できるように設定しておけば、支払いの都度、そのデータを見ながら自分の収入と照らし合わせることができるので、使いすぎるリスクも大いに減ります。

・カード犯罪に巻き込まれる

カードは便利な一方でその一枚に膨大な個人情報を抱えているので、様々な犯罪に巻き込まれるケースも多くなってきます。代表的なカード犯罪では、通販サイトなどを装って現金をだましとる「偽装のECサイト」、データを特殊な機械によってコピーして不正使用する「スキミング」、メールやサイトを用いてクレジットカードのデータを入力させる「フィッシング」があります。カード会社では、こうした悪質な犯罪を防止するために、より高度なシステムでスキミングの難易度をあげるためのカードスキルのアップや、セキュリティコードの導入、不正利用補償などを実行しています。万一紛失や盗難にあってしまった場合でも、すぐにカード会社へ連絡すれば、勝手にカードで支払いされていても支払う義務が無いよう補償してくれます。

→ただ、リスクを避けるためにも日頃から、カードをしっかり手元に管理する・車に放置しない・怪しい店で使用しない(スキミングされる心配を減らすため)など対策は怠らないようにしましょう。明細書をネットで確認し、早期発見を心掛けることも一手に繋がります。

暗証番号も生年月日や結婚記念日などの分かりやすいものでなく、他人に分かりにくいものに定期的に変更されることをオススメします。オススメは、理想の体重や自分しか知りえない小さな記念日などです。

以上の点を踏まえれば、キャッシュレス社会も決して怖くないはずです。

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