
Discover Card(ディスカバー・カード)とは、世界的な投資銀行「モルガン・スタンレー」傘下のクレジットカードです。
全米を拠点とし、会員数は5,000万人、加盟店数は400万以上を有する米国4大ブランドのひとつになります。
その起源は、当時、全米最大の百貨店「シアーズ(Sears, Roebuck and Co.)」であり、
1931年、オールステート保険(Allstate)設立
1981年、ディーン・ウィッター証券(Dean Witter Financial Services Group)、コールドウェル・バンカー不動産(Coldwell Banker)を獲得
1985年、グリーンウッド信託銀行(Greenwood Trust Company)を獲得
巨大な店舗網とハウスカードの実績の基に、シアーズ・ファイナンシャル・ネットワーク(Sears Financial Network)として金融サービス事業を拡大し、汎用クレジットカードを発行したことからはじまります。
1986年、ディーン・ウィッター証券が「ディスカバー・カード」発行。
年会費無料、利用金額の1%キャッシュバックという当時としては斬新なサービスの提供により、後発ながらも瞬く間に会員獲得に成功します。
しかし、小売業のシアーズ傘下のクレジットカードは、同業の加盟店獲得に苦戦、また、本業の小売業もウォルマートやトイザラスのような一分野に特化した専門店との競争が激しくなり、金融事業を手放します。
1993年、ディーン・ウィッター・ディスカバー社(Dean Witter, Discover & Co.)として公開企業となります。シアーズ・カスタマー・ファイナンシャル社(Sears Consumer Financial Corporation)もノーヴァス・クレジット・サービス(NOVUS Credit Services Inc.)と名称を変えます。なお、ノーヴァス(NOVUS)とは、加盟店用のブランドです。
1997年、ディーン・ウィッター・ディスカバー社はモルガン・スタンレー(Morgan Stanley Group, Inc.)と合併し、モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター社(Morgan Stanley Dean Witter & Co.)となります。これにより、「ディスカバー・カード」はモルガン・スタンレー傘下となります。
2002年、モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター・アンド・カンパニー(Morgan Stanley Dean Witter & Co.)からモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)に名称変更。
グループ企業もそれぞれ、
1999年、「Novus Services, Inc.」が「Discover Financial Services, Inc.」
2000年、カード発行の中心である「Greenwood Trust Company」も「Discover Bank」
へと名称が統一されます。
2004年、提携銀行に他のカードブランドの発行を禁じたVISA・MasterCardの排他政策を米連邦最高裁が反トラスト法違反との判決を下し、ディスカバー・カードの銀行提携カード発行の道が開かれます。
2005年、銀行間ネットワーク協会(EFT association)の「Pulse」を獲得し、デビットカードとATMカードの発行を開始。デビットカード市場に強い基盤をつくります。
これまでは、主に、米国内のブランドとして発行されていましたが、近年では英国、メキシコ等周辺諸国でも開拓を行い、
2005年5月、中国のユニオン・ペイと加盟店を相互開放合意
2006年2月、英国のクレジットカード発行会社「ゴールドフィッシュ(the Goldfish credit card business)」獲得
2006年8月、JCBとも加盟店・ATMネットワークの相互開放合意
2007年7月、ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズ(Discover Financial Services)がニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場。
ディスカバー・カードは、「シアーズ」、「ディーン・ウィッター」、「モルガン・スタンレー」と親会社の変更を経験し、株式公開、ついに、クレジットカードの会社として独立します。
そして、米国内のみならず、海外においても更なる発展が、今、現在、なされている状況です。