
みずほフィナンシャルグループのクレジットカード会社「UCカード(ユーシーカード株式会社)」。
UCカードは、大衆カードとして先行するJCBに対抗すべく、1969年「ユニオンクレジット」として発足しました。”ユニオン”の名の如く、富士銀行、第一銀行、三菱銀行、日本勧業銀行、埼玉銀行、太陽銀行の都市銀行6行によって共同で設立されております。
1969年:ユニオンクレジット株式会社設立。
そして、1960年、日本ダイナースクラブ、1961年、JCB、1967年、DCカード、住友カード、1968年、MCカード、1969年、UCカードが設立され大手銀行系クレジットカード会社が出揃い、同年、カード六社会(現:日本クレジットカード協会)という業界団体が誕生。
1972年: 国際ブランド「マスターチャージカード(Master Charge)」発行。
マスターチャージ(Master Charge)は、1979年、マスターカード(MasterCard)に名称変更。
1982年:ロイヤルカード(ゴールドカード)発行。
同年、新銀行法が施行され、クレジットカード業務が銀行の「周辺業務」から「付随業務」として認められ銀行が直接取り扱うことが可能となり、
1983年:ユニオンクレジットが第一勧業銀行、富士銀行、太陽神戸銀行、埼玉銀行の4カード会社に分離独立。ユニオンクレジットはブランド管理会社となる。
1988年:VISAインターナショナルに加盟。マスターカードとVISAカードのデュアル発行開始。
VISAカードが、国内・海外共にVISAカード加盟店で使える汎用性・統一性があったのに対し、マスターカードは、海外ではマスターカード加盟店で使えるが、国内ではUCカードはUCカードの加盟店、DCカードはDCカードの加盟店等それぞれの加盟店でしか使えない不便さが表面化し
1989年:第一勧業銀行・富士銀行(UCカード)、東京三菱銀行(DCカード)、東海銀行(MCカード)が中心となり日本のマスターカードの中心的組織「マスターカードジャパン(現:日本マスターカード機構)」設立。MasterCard加盟クレジットカード会社の加盟店相互開放がなされる。
1994年:社名を「UCカード」に変更。
2001年:業界に先駆け「ICカード」発行。
2002年:母体である第一勧業銀行・富士銀行・日本興行銀行が合併し「みずほ銀行」が発足したのを受け、第一勧銀カード、富士銀クレジット、興銀カードサービスがクレジットカード事業を統合。新生UCカード誕生。
2004年:みずほフィナンシャルグループとみずほ銀行、UCカード、クレディセゾンの4社がクレジットカード事業における戦略的提携。これにより、UCカードはプロセッシング業務に専念。
富士銀行、第一銀行と聞かれても今ではピンとこない方が多いかも知れませんが、富士銀行は戦前の安田銀行であり、戦後永らく日本最大の預金残高を誇っていた財閥系の銀行になります。日本で最初の汎用クレジットカード会社である「日本ダイナースクラブ」設立にも加わっております。
4大財閥のその他銀行が産業銀行の色彩が強いのに対し、安田銀行は広く支店網を持った大衆化路線の銀行でした。戦後、財閥はその名称使用が禁じられ、講和条約以降はそれぞれ旧財閥の名称を復活させますが、富士銀行だけは安田の名称に戻さなかったのも庶民銀行として生きるという姿勢の顕れと言えるかも知れません。
第一銀行は1873年に設立された「第一国立銀行」が起源であり、日本の銀行の中で最も古い歴史を持つ銀行になります。
共に、今は、「みずほフィナンシャルグループ」として一つとなり、巨大な金融グループを形成しています。そして、UCカードは、「MasterCard」の日本における中心的発行会社であり、三菱UFJニコス、三井住友VISAと並ぶ3大クレジットカードグループの一つとなっているのです。