ライフカード

ライフカード(出典:ライフカード株式会社)

クレジットカードのブランドもずいぶん多く存在しますが、ライフカードはその中でもずいぶんとユニークな存在です。
ライフカードの発行元であるライフカード株式会社もまた、珍しい経緯をたどっています。
カードと会社の名称である、ライフカードについて見ていきましょう。

ライフカードの特徴と概説

現在の、企業としてのライフカードは、もっぱらクレジットカード事業をおこなっています。
取扱商品としてのライフカードの性質を見れば、企業のユニークさがわかります。他のクレジットカードに見られないユニークな特長を見てみましょう。

ライフカードはポイントがよく貯まる

ライフカードは誕生月にポイントが多く貯まることに定評があり、誕生月だけはメインして使う人も多くいます。
かつては誕生月ポイント5倍だったのが現在では3倍となっているなど、徐々に縮小されてきたのも事実です。それでも、通常0.5%のポイント還元率が1.5%になると、なかなか高い水準です。
また、年間200万円カードを使うとポイントが常に2倍になるサービスもあり、よく使う人なら誕生月以外も還元率1.0%となります。年間100万でも1.8倍、50万でも1.5倍なので、年間トータルで高いポイント還元率を維持するのは難しくありません。
欠点もあります。現在ライフカードでETCカードを利用しても、ポイントが貯まりません。ETC利用でポイントが貯まらないのは非常に珍しいことです。

ライフカードはデザインも豊富な種類から選べる

カードのデザインも特徴的で、種類を選べます。
一般的なスタンダードのカードでも、青、黒、赤の3色があります。
さらに提携カードが無数にあり、女性向けのBarbieカードなど、デザインに特色のあるカードが豊富です。
国際ブランドもJCB、Mastercard、VISAと3種類用意されています。
サービスを選べるのはライフカードの大きな特徴です。
根源的なカード設計の思想に、選択と多様性をよしとする部分があるようです。

審査の通らない人のためのカードも用意されている

キャッシュレスの方法が多様化した現在もなお、クレジットカードがないと困ることは多いものです。
特にカーライフには、多大な影響があります。
カードがないと、ETCカードを持つにも、最近流行っているカーシェア会員になるにも著しい支障があります。
その大事なクレジットカードを持てない、ブラックと呼ばれる人がいます。
クレジット・ローンの延滞、債務の任意整理、自己破産などにより、個人信用情報に傷のついたこれらの人は、クレジットカードに申し込んでも審査にまず通りません。
ですが、ライフカードからこのような人を対象にしたクレジットカードが2種類発行されています。
・ライフカード(年会費有料)
・ライフカード(デポジット型)
ライフカードの公式サイトには記載されておらず、特設サイトのみで扱っています。
ブラックだけでなく、水商売などクレジットカード審査に不利な職種の人も対象となっています。
まずライフカード(年会費有料)または「ライフカード(CH)」は独自の審査をおこなっており、ブラックの人でも通る可能性があります。
このカード、年会費をカード到着時に代引きで支払わなくてはなりません。
スタンダードのクラスでも、この年会費が実に5,000円(税別)もします。
ですが年会費を先に支払うことで、ある種、信用を買うことになります。
ゴールドカードもあります。こちらは年会費1万円と、通常のゴールドカードと変わらないので、割高感はむしろ薄いでしょう。
クレジットカードの基本機能は揃っていますが、キャッシング機能はありません。
これでもなお審査に通らない人のために、もう一種類カードがあります。ライフカード(デポジット型)です。
こちらは、年会費有料カードと同様の年会費先払いの仕組みに加え、さらにデポジットを預け入れる必要があります。
預け入れたデポジットを限度額として、クレジットカードが使える珍しい仕組みです。
デポジットさえ用意できるなら、ブラックの人でもクレジットカードが持てるわけです。
通常のクレジットカード会社が見放した人を会員にして、ビジネスにしているライフカード、極めてユニークなことがおわかりいただけるでしょう。

ライフカードの沿革

企業としてのライフカード(前身の社名はライフ)について、沿革を見てみましょう。

・広島の信販会社がルーツ
・1976年にクレジットカードのライフカードを発行
・1988年にライフVISAカードを発行
・1996年にライフJCBカードを発行
・バブル期の法人向け融資で破綻し2000年には東証1部の上場廃止
・2001年、消費者金融アイフルの傘下となり、オートローン等信販業務から撤退
・アイフルの与信ノウハウを得て、個人向け融資を積極的に行い、売上の大部分を稼ぐ
・2006年のグレーゾーン金利廃止と過払い金請求に伴い、強引な取立てで業務停止命令を受けたアイフルともども収益悪化
・2009年アイフルとともに事業ADRを実施
・2010年に、ライフの子会社としてライフカード設立(現在のライフカード)
・2011年にアイフルに吸収合併され、ライフ消滅
・現在のライフカードはもっぱらクレジットカード事業に専念している

クレジットカードは多くの会社で発行しています。
信販会社も、オリコ、ジャックス、アプラスなどがクレジットカードを発行しています。合併して三菱UFJニコスになった、かつてのニコス(日本信販)もそうでした。
ライフカードもルーツは信販系にありますが、現在は信販業務(クレジットショッピング)は手掛けておらず、信販会社ではありません。
沿革を見ると、ライフカードは、バブルと個人向け融資に翻弄されてきた企業です。
信販会社でも対照的に、早くから自主的にグレーゾーン金利の貸出しをやめていて、過払い金問題がほとんどなかったジャックスなどもあります。

消費者金融でもあったライフ

消費者金融という業界は、グレーゾーン金利の廃止以降大混乱の時代を迎えました。
武富士など、過払い金請求により倒産した企業も多くあります。
その時代を経て、現在ではアイフルを除く大手消費者金融は、銀行傘下に収まっています。
銀行の信用をバックにした、カードローンの保証業務は重要部分を占めています。
さてグレーゾーン金利の時代、現在では消費者金融としては扱われない企業も、積極的に貸出しをしていました。
ライフカードの前身であるライフもそのひとつです。
貸金業法において、消費者金融やクレジットカード会社の区分はありません。同一の許可で営業をしていますから、クレジットカード会社が本格的に貸金業に乗り出してもおかしくはありません。
当時は、消費者金融と区別のつかないクレジットカード会社も多く存在しました。
今でも消費者金融には自動契約機がありますが、当時はライフも「ライフ キャッシュプラザ」という名称の付いた、これを多数有していました。
当時は駅前に「サラ金ビル」と呼ばれるビルが多く出現し、景観を損ねると批判を受けていました。ビルの2階から上のほとんどを、消費者金融の自動契約コーナーが占めるビルのことです。
貸金業には建物所有者の許可が必要なため、どうしても特定のビルに集中してしまうのですが、ライフもこうしたビルの中で営業をしていました。
親会社のアイフルとともに、貸金業を収益の柱にしていたのです。消費者金融とまったく変わりません。
グレーゾーン金利廃止とともに、これが消滅していったのは先に述べた通りです。
グレーゾーン金利廃止前の、ライフカードの貸付金利は27.74%でした。現在では利息制限法に従い18.0%です。
現在もキャッシングに力を入れているクレジットカードはあり、ローン専用カードも発行しています。中には消費者金融を利便性で上回るカードもありますが、現代では消費者金融と一緒にされることはまずありません。
現在のライフカードがキャッシングについてどう扱っているかというと、特に注力してはいません。個人向けローン商品としては、おまとめローンを扱っている程度です。
クレジットカード付帯のキャッシングサービスも平凡です。たとえば当日中に振込キャッシングを受けようとすると午前10時までに申し込まなければなりません。
銀行はモアタイムシステムが始まりましたので、技術的には土日祝日の振り込みも可能であり、そのような対応をしている大手消費者金融やクレジットカード会社もあります。
ですが、そういったサービスもありません。もっともこれは親会社のアイフルも同様で、消費者金融大手の中ではサービスが劣ります。
ただライフカードの場合、トッピングカードというカードを選ぶと、金利が14.6%と安くなります。
あまり目立ちませんが、一般的に消費者金融やクレジットカードの金利は18.0%が多いところ、やや安くなっています。

ライフカードに関するデータ(市場、シェア、会員数推移その他)

ライフカードは現在非上場ですが、親会社のアイフル(東証1部)によって決算資料が発表されています。
ライフカードの有効会員数を見ると、このように推移しています。
・2016年3月 6,291千人(プロパー:1,813、提携カード:4,477)
・2017年3月 5,883千人(プロパー:1,795、提携カード:4,088)
・2018年3月 5,771千人(プロパー:1,739、提携カード:4,032)
・2019年3月 5,777千人(プロパー:1,700、提携カード:4,077)
微減となっていますが、底を打って持ち直しています。
現在のライフカードになってすぐの数字を見てみると、2011年3月の数字が7,569千人なので、長期的には落ちています。
ライフカードの会員数を他と比べてみます。業界第8位から第10位の各カードです。
・セディナカード・・・16,500千人(推定)
・楽天カード・・・14,000千人(推定)
・オリコカード・・・10,940千人(公式発表)
これら信販系・流通系のクレジットカードと比べた際には、ライフカードは半分の規模となります。
もちろん、決して小さな企業というわけではありません。

ライフカードの現状と今後の予測

ユニークな個性を持つライフカードですが、今後はどうなっていくでしょうか。
ライフカードについては、親会社のアイフルと切り離して考えることができません。
親会社ともどもおこなった事業ADRの後は、常にライフカード売却がささやかれています。ですが今後のアイフルの生き残り戦略を考えるなら、ライフカードは事業に欠かせないものと思われます。
クレジットカード業界を見回すと、以下のような流れが見られます。アイフルとライフカードもまた、同じ流れに乗ることを、間違いなく検討しているものと思われます。
・発行スピードの迅速化
・キャッシング機能とクレジットカードの一体化
・ポイント付与増大による顧客囲い込み
・電子マネー、QRコード決済など小口決済との連携強化
・年会費の安い高機能カード(例:格安ゴールド)の発行
クレジットカードは、銀行系、流通系、信販系といった区別を問わず、スピーディな発行に舵を切っています。
流通系カードの場合、クレジットカードのカウンターを商業施設内に持っているものがあり、こちらではクレジットカードの即日発行が可能となっています。
カードカウンターを持たないクレジットカードも、審査をパターン化してスピーディに終えることができるようになり、現在は郵送までのスピードを、翌日発行など大幅に早くしています。
ライフカードの場合、最短3営業日発行となっています。十分速いほうですが、まだまだ改良の余地があります。
アイフルの無人契約機でライフカードの受取りができるようにすれば、即日交付が可能となります。
これは、消費者金融アコムがすでに実施しています。自動契約機「むじんくん」で、クレジットカードであるACマスターカードの即時発行が受けられるのです。
アイフルとライフカードで、同じことを実行しないのは、不思議なぐらいです。カード発行のコスト減にもなるでしょう。
アイフルの機能を活かした、キャッシングに便利なクレジットカードを作る余地もあります。これは、SMBCモビットと三井住友カードが組んですでにおこなっています。
その他の他社のおこなっている施策については、ライフカードについて今すぐ期待するのは難しいかもしれません。
なにしろ、ライフカードはポイント還元率を徐々に下げてきたところです。どこかで巻き返す必要はあるでしょう。
もっともありそうなのは、最後に挙げた、格安ゴールド等の高機能カードです。
これは、ライフカードの思想の中にあると思われる、選択の自由にのっとっています。

With the cooperation of 弁天小僧
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